モネとジヴェルニーの画家たち @ Bukamura ザ・ミュージアム
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昨日、Bukamura ザ・ミュージアムで、「モネとジヴェルニーの画家たち」展を見に行きました。私自身は、未来派とかシュールレアリスムとか20世紀初頭の前衛的な絵画が好きなのですが、去年の8月に横浜美術館で、「印象派とエコール・ド・パリ展」を見て、「印象派って、なかなかいいじゃん!」と思うようになりました。

しかも、同じ印象派でも、横浜美術館の展示より、今回のBunkamuraザ・ミュージアムの方が、展示の仕方が優れていて、油絵のタッチ(絵の具の塗り方)がよく見えて、どういう順番でどの部分を書いたのかが見えてくるくらい、印象派の絵画の魅力を引き出せる、照明の当て方が、良かったと思います。

今回の展覧会は、ジャンルによるテーマというより、ある場所をテーマに絞って作品を展示していた企画そのものも、興味深いものでした。絵画は、本物を見ると、教科書で見るのと違って、全然素晴らしいものでした。音楽も、CDで聴くより、生演奏を聴いた方がいいミュージシャンが多いのと同じかも知れません。

印象派は、19世紀の風景画・人物画のジャンルであり、今までの絶対王政支配下の宗教絵画や歴史・神話の絵画から、市民革命が起きて、市民の自由な表現が出来るようになり、産業革命が各地で起きて鉄道網が発達して、様々な場所に出かけて、風景画を書くようになり、20世紀の抽象的で前衛的な絵画を生み出すきっかけとなった、音楽で言えば、ビートルズと同じくらい重要な存在だったのです。

今回の展覧会のテーマとなったジヴェルニーは、パリから80kmくらい北西に離れたフランスの農村で、近くまで鉄道網がある場所で、セーヌ河や丘陵の織り成す田園風景が、印象派を代表する画家であるクロード・モネの心を捉え、やがて、ここに住むようになりました。睡蓮、積みわら、ポプラ並木を描いて、世界の画家の注目する村になりました。

モネが移住した当時、300人くらいの人口の村でしたが、モネの友人のセザンヌやボナールのみならず、19ヶ国を超す300人以上の人が訪れるようになりました。特に印象派の絵画を早く受け容れたアメリカの画家たちが、50人を超えるくらい移住するようになり、芸術家の共同体すなわちコロニーが形成されて、英語の芸術家村が出来て、そこには、ホテルやテニスコートも作られていました。

このような理想的な芸術家村で描かれた、同じ場所でも時間や季節や見方によって変わっていく風景や、コロニーでの家庭生活などを集めたコレクションが、今回の展覧会のテーマでした。風景写真と違って、絵画は、ある風景の一瞬を固定させて描写ことは出来ないので、ある一瞬の風景を頭にイメージを入れて描くため、そのための様々な手法・技法の伝達や情報交換が、このようなコロニーのメリットでもあったそうです。

また、晩年のモネは必ずしも、このような英語村を歓迎しないようになり、土地をさらに購入して、家庭菜園や果樹園、100種以上の花がある花壇を作り、日本庭園を模倣したひょうたん池に、自らの手で橋をかけて、それをモチーフに絵画も作ったそうです。また、モネは、食卓のある部屋に、日本画のコレクションを飾っていて、当時の印象派が、日本画の影響を受けていたのではないかという考え方もあるそうです。

この様子は、今回の展示の出口の映写室で説明がありました。私も美術館で流れる映写室は、だいたいパスしてしまうのですが、今回は、印象派の各作品が、どこで描かれたかを推測した写真と絵画が、対比して説明されているので、ここは見るべし!です。

また、クロード・モネは、絵画だけでなく、自分の住宅・庭園や料理まで、描こうとするものを、こだわりを持って、創作してしまう、素晴らしい才能の持ち主で、ミュージアム・ショップで、「モネ 庭とレシピ」を買いました。

しかし、美術館に行くと、なぜチケット代を上回る画集を買ってしまうのか、お金が減るだけでなく、本棚も、がさばって、年を重ねるうちに、だんだん本やCDが増えて、ダンボール箱に詰めている状態でして、でも、絵画は、DVDをスクリーンで見るより、紙で眺めたいので、画集を買ってしまうのです。

この展覧会は、建築や造園や庭師の仕事をしている方や、ガーデニングが趣味の方にも、是非、見ていただきたい、オススメ展覧会です。Bunkamuraザ・ミュージアムで、2011年2月17日(木)まで、開催しています。

(今日のYouTubeその2) COLORS / 宇多田ヒカル
by hide3190ymo | 2011-01-16 16:53 | 舞台&美術
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