NODA・MAP 「南へ」 @ 東京芸術劇場
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昨晩、久しぶりに、野田地図の芝居を見てきました。2階席の中央で前から2番目の通路側で、かなり見やすかったです。通路側だと、人に迷惑かけずにトイレに行けるから安心です。

舞台は、火山の測定は人工衛星から出来るので、閉鎖されそうになっている火山観測所でした。噴火口に飛び降りる自殺志願者や遭難者を救ったり、観光客に案内したり、データ観測以外のことをやって、残そうとしている所員たち。

そこには、記憶を失った男女と、データを紛失した測定員がいて、不幸を予言する誠意あるウソつき狼少年が、火山の噴火を予言し、天皇皇后が登山するのを止めに行く、そして、その結末は・・・・・。

舞台の左右両側に、折り畳み椅子が並んでいて、そこに出演する役者の全てが座っている、稽古場をそのまま舞台の上に乗せたような演出でした。火山観測所は、線状の細いポールが立方体に組まれて、出入りは全てパントマイムで、小道具を必要最小限にし、役者と観客がイマジネーションを共有するように、作られています。

相変わらず、野田秀樹さんらしい、躍動感がある芝居で、常に舞台の上で止まっている役者が1人もいなくて、役者には、ハイテンションでオーバーアクションなキャラクター作りと、掛け合いが要求される芝居でした。

蒼井優ちゃんの演技は、声が映画とは全然違う腹式呼吸用の発声で、他の役者より、声のトーンが高くて、メリハリがありつつも、柔らかい体の動き、舞台の色をサイケデリックなものに彩ってしまうような、意外と異色派女優という感じで、篠原ともえさんに、少し演技が似ている感じもありました。

音響が舞台のシーン展開のきっかけになることが多くて、常に舞台全体に視覚的な調和が取れている状態で、舞踏やダンスに近い演劇で、相変わらず野田秀樹さんらしい演出だと思いました。

芝居の中に、「日本人の国民性」、「歴史上いつも利用されてきた天皇皇后の話」や、「出会いと別れと再生の話」、「生きている現実がまだ夢の途中」、「誠意のある嘘や真実」、「自分と、自分に問いかける、もう1人の自分の存在」「データに依存した社会の問題」、「原点回帰」、「僕達はどこから来てどこへ行くんだろう」等など、いろいろなテーマが散りばめられていますが、そこは、野田秀樹がテーマを予め決めて書いた脚本ではなく、たまたま、そういうテーマを通過せざるを得ないプロセスなのでしょう。

演劇は、鏡のようなもので、100人見たら、100人違うように見える世界で、どこかしらで、自分と向き合わさせられるテーマがあります。

最近、良い演劇を見ると、私は涙が出てしまいます。もう、年のせいでしょうか。



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(今日のYouTube) Burning Down The House / Talking Heads
by hide3190ymo | 2011-02-13 11:01 | 舞台&美術
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