呼吸ー透明の力ー 勅使川原三郎+KARAS @ KATT(神奈川芸術劇場)と、私の腹痛。
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今年の7月20日(金)から10月6日(土)まで、「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2012」というイベントが、今、横浜で行われていることを、皆さま、ご存知でしょうか?

みなとみらい、関内及び山下公園周辺ほか、市内各地で、プロからアマチュアを問わず、ダンスもハワイアン・フラダンスから、社交ダンス、ヒップホップ・ダンス、ストリートダンス、創作ダンス、舞踏とあらゆるジャンルのダンスイベントが行われています。

今日は、そのプログラムの1つである勅使河原三郎+KARASの「呼吸-透明の力- Breathing - Power of transparency - 」を、KATT 神奈川芸術劇場で見てきました。

勅使川原三郎さんの演出で、出演者は、彼の主催する「KARAS」のメンバー(勅使川原三郎さん、佐東利穂子さん、川村美恵さん、ジイフさん、鰐川枝里さん、加見理一さん、山本奈さん、高木花文さん)、そしてワークショップ受講生達でした。照明は清水裕樹さん(ハロ)、音響は三森啓弘さん(サウンドマン)でした。

私は、1階3列目の席のチケットを持っていたのですが、でかいスピーカーが3つ置いてあり、これだけ広い会場に、ダンスの音楽を流すのに、スピーカーが床置きだったら、私は間違えなく、ライブ難聴(突発性難聴)になるので、スタッフに事情を話して、当日券が余っている席に交換してもらいました。

最近、メンタルヘルスが良くなったと思ったら、胃腸の調子が思わしくなく、便秘と下痢を繰り返します。本公演も、始まる1時間30分前に、急激な腹部膨張感が来て、耐えられず、内科医から処方される座薬を入れて、公演が始まる前に、ラクになる方法を祈りましたが、「只今から開場します。」というアナウンスの瞬間に、トイレに駆け込む羽目になり、18:00~19:30のダンスなのに、最初の15分もトイレへ行き、どんなスタートをしたのか分からなくて、チョベリバーな気分でした。

舞台には、大道具も小道具も一切なく、席も後ろの方になりましたが、かなり奥行きのあるステージで、見ていると、最初の創作ダンスを創るときのプロット図みたいなものが見えてきて、かえって高い位置から見下ろして、全体の人の配置が分かりやすかったです。

いわゆるマス・ゲームとは、全く逆で、復数名の人々が出るシーンでも、誰1人として、同じ動きをしていない、だけれど、美しい調和が保たれていました。これは出演者が、他の出演者がどのポジションでどんな動きをしているかを察知しながら、自分が次の瞬間に動くべき動作が分かる、ワークショップ受講者の方々も、それが出来ているので、素晴らしいです。

タイトル通り、出演者が、いろいろな種類の「呼吸」を発し、互いにコミュニケーションを図っていきます。それは動物が鳴き声の種類を変えて、求愛したり、天敵が来たり獲物が来たりした時に仲間に知らせたりするのと同じように感じました。(ちなみにチンパンジーは人間の5歳児並みの脳があり、コミュニケーションを図って集団生活をするらしいです。)

あえて呼吸のみで、コミュニケションさせて、人間だけでない、どんな生き物でも持つ「生命」というものが浮かび上がってきます。また、照明が上手くて、透明感のある空間を作り出して、その「生命」をより透明でクリアなように見せてくれます。

音響は、クラシック音楽から、ヴォーカル入り(英語)のバラード音楽から、シンセサイザーで作った音楽から、いろいろアレンジしていました。中には、ノイズ音を大ボリュームで流していたので、席替えは正解でした。

出演者の演技は、やっぱり呼吸をいろいろな形で出しながらも原則は腹式呼吸、KARASの人は、やはり、勅使川原三郎さんのように、体を回転させながら長期移動するシーンがダンスの中でも目立ち、ああ、やっぱり、勅使川原さんだなぁ、と思いました。

後は筋肉の使い方で、山海塾などは常時全身の筋肉を緊張させていますが、今回の公演は、身体のある部分は緊張して歯切れよく動かし、別の身体の部分は意識的に脱力してルーズにブラブラさせる、そんな感じがありました。

唯一、日本語で会話をしているシーンがあって、間違えなく演劇サークルの基礎練習で必ず行う「自然体」と、「全身脱力」「一部緊張・一部脱力」を行っているシーンで、リーダーらしき人が、「はい、足の裏に体の重心が来るように立ってみて」とか、「上半身を脱力して歩いて」という趣旨の会話をしていて、私も大学時代に演劇サークル(「筑波小劇場」というアングラ・ファンタジー劇団)に所属して、基礎練習をやってから、芝居の稽古に入るので、懐かしいなーと思いました。

後半になって、だんだん人数が増えて、照明の変化も著しくなり、ダンスのスピードも速くなり、という感じで、前半のノスタルジックな雰囲気とは変わって、「生命の躍動」「生きる喜び」みたいなものを、言葉を使わず身体表現だけで感じました。そこが、舞踏や創作ダンスの面白いところだと思います。

19:30で終了。拍手喝采で、他の観客も、みんな笑顔でした。

ちなみに、明日が最終日で、時間帯も昼間なのですが、見たいと思う方は是非、どうぞ。「明日も当日券が出ますよ」とスタッフの方が言っていました。

(今日のYouTube) TAINAIKAIKI / Ryuichi Sakamoto & David Sylvian

今日の公演で「生命の躍動感」「命の鼓動」みたいな世界を見た後で、この楽曲とイメージが似ているな、と思ったのです。坂本龍一の「HEARTBEAT」ツアーに行った人は、デビット・シルビアンが参加とは、超サプライズ・ゲストだったでしょう。うちの兄貴は行ったそうで、私は大学の卒論に追われていたので、後で話を聞いて、羨ましいと思いました。

坂本龍一が「HEARTBEAT」をリリース後、普段は難解な哲学で音楽を作るデビット・シルビアンに、彼女が出来て結婚が決まり、シルビアンの方から教授に連絡して、「是非、『体内回帰』に、歌詞をつけて歌ってみたいんだ。」と、はしゃいでいたそうです。もちろん、無二の親友の頼み、教授もOKを出して、TAINAIKAIKI Ⅱのバージョンを作ったそうです。教授のベストアルバム等には、「TAINAIKAIKI」と言えば、David Sylvianとのコラボと思われがちですが、オリジナルの「HEARTBEAT」には、「TAINAIKAIKI」の楽曲は、インストロメンタルに、女性のバックコーラスが少し入っている曲でした。
by hide3190ymo | 2012-08-25 23:16 | 舞台&美術
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