ユートピア?/ Des Utopies? @ あうるすぽっと
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今日は、池袋の再開発で出来たビルの2階にある「あうるすぽっと(豊島区舞台美術センター)」で、平田オリザ、シルヴァン・モーリス(フランス)、アミール・レザ・コヘスタニ(イラン)らの演出による日・仏・イラン合同公演「ユートピア?/Des Utopies?」を見に行きました。すごく面白かったです。公演は明日まで。このブログを読んでいる劇団青年団のファンは全員行ってください。特に井上三奈子ちゃん(MAXではない!・劇団青年団の女優)のファンは、必ず行ってください。彼女、いつものとおり、いい味、出しています。当日券、かなり出ています。

パフォーマンスは、「プロローグ 作・演出 シルヴァン・モーリス」「クリスマス・イン・テヘラン 作・演出 平田オリザ」「サンミゲルの魚 作・演出 アミール・レザ・コスヘタニ」「エピローグ 作・演出 シルヴァン・モーリス」の4部構成です。日本人の役者は、劇団青年団から、ひらたよーこさん、古屋隆太さん、井上三奈子ちゃんの3人が出演していました。



「クリスマス・イン・テヘラン」は、イランの首都テヘランにあるフランス人が経営するホテルのロビーという舞台設定で、日本人の投資家・観光客が劇団青年団の3人の役で、彼らとペルシア人従業者、フランス人資本家・経営陣がコミュニケーションをしています。日本語・ペルシア語・フランス語が同時多発的会話で進んでいく「リアルな異文化コミュニケーション」、言葉が上手く通じない部分をジェスチャーでやったり、フランス語で上手く伝わらない部分は英語にして会話しなおしたり、語学レベルも、使用言語も人によって違うので、そこがまた面白いです。なるほど、平田オリザの文法を、国際交流にすると、こうなるのか、と納得する世界でした。ちなみに日本語以外の部分は、字幕が出ていたけれど、横書きだし、口語演劇だけあって、セリフが短いので、分かりやすかったです。

「サンミゲルの魚」は、半透明のスクリーンの向こう側で、先ほど見た「クリスマス・イン・テヘラン」の舞台裏という設定。ひらたよーこさん、古屋隆太さん、井上三奈子ちゃんは、それぞれ自分の役、イラン人役者陣も、フランス人役者陣も。それぞれ自分の役でした。平田オリザの「クリスマス・イン・テヘラン」は、舞台の人の出入りによって会話が変わるといういつもの青年団の手法ですが、このセクションはその芝居の裏側なので、全く人の出入りが逆になり、しかもリアリティのある会話が飛び交います。これは実験的で面白い!

ここで「BUT」を使いたくないですが、あえて言うなら「エピローグ」と「プロローグ」は蛇足かなー。あと同じ列のおっさんが劇場全体に響き渡るいびきをかいていました。私もいびきうるさいほうだけれど、今、公演中でしょ!あれは、役者の集中力に影響します。平田オリザのパートしか興味がないなら、それはそれでいいけれど、みんなに迷惑かけるから帰ってほしいと思いました。今回かなりハイレベルな役者しかいないので、無事クリアしました。公演後は、平田オリザ達演出家3人のトークショー(講演会)もあったのですが、これは私も寝てしまいそうなので、演劇だけ見て帰りました。(笑)

この全く違うタイプの4つの演劇をつなげて公演するプロジェクト、役者さんたちは相当大変なテンションを使ったと思います。特に、ひらたよーこさん、客出しの舞台挨拶のときに、目に涙が浮かんでいました。きっと緊張が解けたときにホロリと出る涙なんだろうな。彼女は「クリスマス・イン・テヘラン」のとき、「フランス語が出来る日本人」の役だったので、相当フランス語を勉強しただろうし、舞台裏では、青年団の3人のリーダーとして引っ張っていく役目だし、かなりのバイタリティが必要だったと思います。

ちなみに、ひらたよーこさんは、青年団の女優のほかに、あなんじゅぱすというバンドで歌手活動をしてます。一度、あなんじゅぱすは見に行きたいと思っています。オムトンの澤口希さんも、参加しているみたいです。

井上三奈子ちゃんは、舞台裏でも青年団のどの公演でも全く同じ性格なんだけれど、彼女の演技は、素なのかなーと思ったり。(笑) でも、かわいいから許しちゃう。私も大学のとき演劇部でしたが、私の出演する芝居を見た人は、「いつものHIDEと全く同じじゃないか」とよく言われました。私の演技は素です。ああ、また、やりたいなー、演劇。 コントでもいいけど。

(今日のYouTube) 君は完璧さ / CULTURE CLUB
by hide3190ymo | 2009-03-28 20:31 | 舞台&美術
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