映画 「奇跡のリンゴ」 @ 109シネマズMM横浜
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6月16日は父の日だったので、6月15日(土)両親を連れて、新高島のGENTOにある映画館「109シネマズMM21」で「奇跡のリンゴ」を見ました。

無農薬、有機栽培とか聞くと、一見、社会派ドキュメンタリーという印象を持ちますが、これは事実に基づくフィクション映画であり、肩の力を抜いて楽しめて、かつ勉強にもなるというナイスな映画です。

今回の映画のテーマは、’ 「家族の絆」と「生物多様性」の関係性 ’です。

絶対不可能とされてきたリンゴの無農薬栽培を11年かけて挑戦し続けた男性・木村秋則さんがモデルになっていて、自分が生きているうちに映画化されると思わなかったと語ります。そして、妻が木村美栄子さんでなければ、成功しなかっただろうと語っています。これが映画化されて、木村さんの無農薬リンゴはインターネットで数分で売り切てしまうほど美味しいそうです。

リンゴは、古代ギリシャ・ローマの頃からあり、現在のリンゴよりかなり小さく酸味の強いものですが、それが近代になってアメリカに伝わって、農薬を使って人間の手をどんどん使って品種改良され、現在の甘みのある大きなリンゴとなりましたが、それが日本に伝わって全国でリンゴの栽培が試されましたが、農薬散布を豆にしないと育たない果物なので、諦めずに地場産業にしたのは、青森県と長野県だけでした。

それを考慮すると無農薬でリンゴを作るなど絶対有り得ないとされてきましたが、木村秋則さんが11年かけて成功させました。

高校生の時から仲良しだった友人「もっちゃん」と「美栄子」さん、三上秋則さんがバンドをやってスピーカーが壊れて演奏が台無しになると、三上秋則さんのお母さん三上葺子さんはポジティブな人柄で、「失敗はね、沢山やる度に、常識をくつがえすことが出来るのよ。」そんなお母さんに育てられた三上秋則さんは努力家で絶対あきらめない性格の人になりました。

(以下、敬称略)

三上秋則は農業製品を材料とするメーカーーに就職し、コストダウンを担当し、細かいところを指摘して農家を指導するイヤな奴になっていましたが、ある日、お見合いで、高校の友人だった木村美栄子と会い、久しぶりに会って互いに惚れ直し、木村秋則として農業をやることになりました。

ところが、妻・美栄子は、農薬に弱い体質で、何度も嘔吐を繰り返したり倒れたりでした。秋則が、リンゴに使う農薬が多すぎて体調を崩すのは、妻・美栄子さんだけではないと思い、地元の若手で「無農薬・減農薬を作る若手の会」を作り、チャレンジしてみましたが、結局、他の若手も次々に減農薬にギブアップをしていきました。

木村秋則は、義父・木村征治に、リンゴ畑の4分の1を、無農薬栽培の実験場にさせてくれと頼みこみましたが、反対されるどころか、「4分の1だけでなく全部の畑を使っていい。その方が答えも見つけやすいだろう。」と賛成の意志を表示してくれました。

木村秋則は、リンゴに農薬の代わりになる人間の口に入るもの、例えば、お酢、わさび、牛乳、にん肉等を試してみましたが、なかなか答えが出来ませんでした。

美栄子から子供が3人生まれ、ひな子・咲・菜ツ子と名付けられ、秋則の心の励みになり、徹底的な調査をしますが、やはりリンゴ畑から害虫の駆除が出来ませんでした。

年々リンゴの収穫がなく資産が底をつきました。義父・木村征二の貯金を崩し、美栄子が作っている小さな野菜畑の収穫だけで、どんどん貧乏になりました。

これを聞きつけた秋則の実家の三上夫妻は、木村家に土下座をして札束を持っていきました。義父・キムラ征治は言いました。「この札束は受け取れません。秋則は私の息子ですから。」

何年経っても成功しない無農薬栽培、ひどい時には何十万匹の害虫がリンゴ畑を荒らしていました。お祭りの時でも、3人の娘に買ってやることも出来ず、ひな子も学校で妹達のために消しゴムを3つに切ったり、秋則も、冬は出稼ぎに東京へ出て工事現場で働き、住む場所もない状態でした。

次第に、秋則の心もイカれて来て、リンゴの木に訳のわからないことを話しかけるようになりました。そして、とうとう実家の三上家に、「親父、金を貸してくれ」と頼み込んだが門前払いされ、秋則が母・三上葺子の部屋をバンバンたたくと、窓こしで「母さん、お前に『あきらめることも大切』って、教えてあげるのを忘れていたねえ。」と窓を開けてくれませんでした。

秋則のリンゴ畑の近所の人からも、バカにされ、次第に嫌がらせまで受けるようになりました。

荒れ果てたリンゴ畑は、今更、農薬を使っても、元に修復するには何年もかかり、農薬を買うお金すらなく、戻ることも進むことも出来ず、秋則は、日に日に、精神が参っていき、地獄を幻聴で見るほどになりました。

ある日、役所から税金を払っていないからと、抵当権設定をしていた半分の土地を囲まれ、結局、不動産売買契約をし、リンゴ畑の面積は2分の1になってしまいました。

夜、秋則が美栄子に「別れようか」と言いました。美栄子は「無農薬栽培を諦めるの?」という問いかけに対し、「もう、終わりだ。諦めるしかねえべ。」 それをそば耳を立てて聴いていた長女・ひな子が「そんなの嫌だ!止めたら、何のために私はこんな貧乏しているの?絶対イヤだ!」



そう言った後、突然、ひな子は倒れました。ひどい熱があり、電話料金未納で救急車も呼べないため、隣近所に車を貸してくれとドアを叩いたが気が付かず、結局、秋則がひな子を走って病院に連れて行きました。秋則の後を美栄子が走って追いかけて行きました。医師は「ストレス性の発熱で円形脱毛症もあります。2週間くらい入院した方がいいでしょう。」ということでした。

その晩、美栄子は、父・征治に、「貧乏なのは我慢できる。でも、『別れよう』と言われた。」と涙をボロボロ流しました。

そして、秋則は行方不明になり、美栄子が「おーい!変人!」と叫んでも、見つかりませんでした。

秋則は、人の入らない山の森の中で、こっそりクビを吊ろうとして、失敗した瞬間、森の中にリンゴと同じような木があり、害虫が一匹もないのに、くるみの実が成っているのを見つけ、周辺の雑草をひっこ抜いて根っこを食べました。「これだべ~」と何かヒントを得て、大喜びで畑に戻っていきました。

美栄子に早速それを伝え喜んで抱きしめました。リンゴ畑の雑草を刈らずに、森と同じ環境に近づけることにチャレンジしました。リンゴ畑の雑草を刈らずに、大豆を巻いて、色々な生き物を呼びました。ウサギもリスもやってきました。そして、てんとう虫がリンゴの畑に卵を産み付け、生まれてきたてんとう虫は害虫を食べてくれます。畑というより、まるでジャングルのようになりました。

そして無農薬を続けて11年目にして、リンゴの花が満開に咲きました。秋則も美栄子も大喜びでした。秋則は「リンゴっていうのは、リンゴだけで生きているんじゃないんだなぁ。」

そこへ義父・征治が、「人間だってそうだ。自分1人だけでいきているんじゃないんだ。」と説得力のある言葉。その後、義父・征治は、体調を崩し、入院しました。

リンゴは沢山収穫しました。サイズは他のリンゴよりひと回り小さいのですが、でも、とても美味しいリンゴでした。ひな子達も「美味しい、美味しい」と喜んで食べました。秋則は、早速、農協にも行き、小さいけれどその美味さが認められ、農産物販売所でも売り出し、日本各地から「木村さんの畑のリンゴを1箱送っていただけないでしょうか。」という手紙が沢山来ました。

そして、ラスト・シーンで、義父・征治が入院先の病院でなくなり、征治の遺体の右手はぎゅっと秋則のリンゴを握り締めており、あまりに堅くて、それをほどくことが出来ず、秋則は「そのまま、リンゴを持ったまま遺体にさせてください」とお願いし、医師も「やむを得ない」との判断でした。

完全にネタバレしましたが、私の考えでは、映画や演劇はストーリーなんて先に知っておいた方がいいんです。その方が役者の演技力とか、映像や表現の工夫、台詞作りが楽しめる余裕が出るからです。

私は、やっぱり貫録のある義父に山崎努の演技に惹かれました。彼でなければ、歯が浮いてしまうような台詞でも、彼が言うと説得力があるのです。また、主人公の木村秋則に、阿部サダヲ、不器用でバカ真面目な役をやらしたら、この人の右に出るものはいないというナイスなキャスト選択です。また、妻・木村美栄子は、菅野美穂で、相変わらず可愛いルックスで「こりゃ男は命がけで守りたくなるわなぁ」と思わせる魅力的な人です。

映像は、しばし大きな山が畑と反対斜面の向こうに写され四季を知らせてくれるのですが、多分、形からして、八甲田山だと思いますが、そんな田舎の風景も綺麗な映画でした。

私の両親とも「いい映画だったね。」と喜んでくれました。
ま、2人ともシルバー料金なので、大したプレゼントではありませんが、値段より品質です。

ああ、私も菅野美穂みたいな嫁がほしいです。

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(今日のYouTube) 映画『奇跡のリンゴ』【予告編】
by hide3190ymo | 2013-06-16 18:50 | 音楽&映像
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