はじめてのフジロック (後半)
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はじめてのフジロック「前半」の続きです。だんだん記憶が薄れていく部分もありますが、なんとか記録に残したいと思います。

夕方GREENでKAISER CHIEFSを聞き終えて、再びワールドレストランで、スペイン料理屋のハンバーガーを食べて、(あんまりお腹一杯にするとトイレに行きたくなるから底上げ程度にしておいた。フジロックでは、トイレのタイミングも重要な要素と言えよう)WHITE STAGEに行きました。ASHでWHITE STAGEが入場規制がかかるといけないと思って、早めに行きました。WHITE STAGEでは、OMAR ROODRIGUEZ LOPEZ GROUPが演奏していました。なかなか、キレのあるサウンドで前衛的なアーチストという感じがして、予習はしていかなかったけれど、良かったです。

いよいよASHの出番。OMAR ROODRIGUEZ LOPEZ GROUPが終わるや否や、全体的に人が入れ替わり(たぶんこの時間帯GREENでイギーポップが出ていたので)、だいぶ前の方に行ってASHを待っていました。しかしGREENに比べてWHITEは夜、蚊が多くて虫除けスプレーを手足につけておきました。ほぼ前から3列目くらいにいましたが、時間が近づくにつれて、後ろを見るとすごい人が。MAMM-RAに比べて男性の割合が少し多いかな、という感じでしたが、ASHが出るとともに押し寄せる人の波、通勤ラッシュ時の京浜急行の戸部~横浜間のカーブにかかるところみたいに自分の体に圧力がかかり、もしかしたら昔のBUCK-TICKのコンサートみたいに将棋倒しになるかも、と身の危険を感じ、前に押し寄せる人の流れに逆流して20mくらいステージから下がって見ていました。



I STARTED A FIREの’unknow--wo wo wow wow-n’と'go--woww-woo--'とか伸ばして歌うところは、もうしびれちゃうくらいステキで(注:私は異性愛者です、たぶん。)、私も垂直とびスポーツテスト状態になりました。たった3人でこんな世界を作れるなんてスゴイ!ギターとドラムで直球勝負しているスタイルがまたかっこいい!間近でこんなかっこいいアーチストを見て、なんだか私も今、生まれて初めてロックンロールに目覚めたみたいです!’You Can't Have It All'では、大合唱タイム。英語の曲なのに客席から大合唱が出るのは、U2以外で見たことがないです。もうすでにポストU2かも!とか、80’Sしかよく分かっていないおじさんは、思ってしまいました。観客もノリノリで、3人になっても、応援してるぞ!ってエールを送っているようかの勢いでした。

ASHが終わったら気分が良くなって、「ところ天国」で夕ご飯を食べました。牛丼と豚丼とどちらが人気があるか、という企画をやっている店に行って見ました。交通量調査とかで使うようなカウンターが置いてあって、牛丼と豚丼の好きな方を押すような仕組みになっていました。同じ値段なのに、豚丼の方が若干人気が上回っていたので、私は牛丼を食べることにしました。ところ天国に置かれてるインテリア用の照明のようなものが森をライトアップしていて、とても綺麗でロマンチックでした。(ひとり写真コンテスト参照) 夜のお祭りって感じです。「そんじょそこらのウインナーだよっ!」とセールするお兄さんのかけ声が面白すぎて、ソーセージを1本つい買って食べました。次の日、見たいものが、午前中にはなかったので、石野卓球さんとJUSTICEを聴きたかったのですが、夜中の1時・2時が開始の予定のため、ま、サマソニでRYUKYUDISCO見れればいいか、と思って、BEASTIE BOYSの迫力ある声を背にGREENは通過し、バスに乗りました。

宿に戻ると、昨日私と仲良くなった青年が早めに帰っていて、IGGYがすごい良かったって、熱く語ってくれました。日曜日の予定は私と同じクラムボンを見に行くそうで、GRROVE ARMADAと、IGGYと、クラムボン、一体どういう音楽が好きなのか?という気もするんだけれど、よく考えてみれば私も同じようなものでした。私は、特別に強いジャンルがあるわけじゃなくて、美味しいところのつまみ食いといったところでしょうか。2日めは、いい音楽も聴けて、美味しいもの食べて、オフも出来て、幸せ一杯の気持ちで、ぐっすり眠れました。3日めの朝食は、部屋の4人が全員揃っていました。さすがに若者でも2晩連続は、徹夜しないみたいです。

3日目は天気が悪そうなので、ズボンは動きやすいジャージで行き、スムーズに合羽に着替えられるようにしておきました。ゆっくりめに出かけて、お昼ごはんはワールドレストランで、ハワイ料理屋のハンバーグカレーを食べました。これも甘口カレーで美味しかったです。REDの前の林にレジャーシートを敷いて、THE WOMBATSの歌声(魂の叫び)を聴きながらうたた寝をしておりました。

上原ひろみ(HIROMI’S SONIC BOOM)の時間まで見たいものがなかったので、会場のオレンジコートまで登山して、シートを敷きながら、後ろの方でPURIを見ていました。PURIは韓国系のミュージシャンで、伝統音楽をベースにしたワールドミュージックって感じで、隣国なのに聴いたことのない楽器の音色が聞こえてきて、リラックスできました。「ちんさぐの花」だったかな、日本の曲をアレンジしたものも演奏してくれました。Marva Whitney with Osaka Montailは、私は始めて聴いたアーチストなんだけれど、邦楽ファンには人気があるみたいでした。

ポツリ、ポツリと雨が降り始めて、でもまだ合羽を着るほどではないかな?と思ったのですが、このとき撮った写真あとで見ると、もう半分くらいの人が合羽を着ていました。Marva Whitney with Osaka Montailのライブが終わるや否や、ダーッとダッシュしたら、最前列をキープできました。あの上原ひろみを最前列で見れるなんて!いつも単独ライブでも、後ろの方でゆらゆら見ているおやぢの私なのに、このテンションの高さはなんだろう、3日めになってだんだん野生化してきたのか、と思うほどでした。しかし、雨が本降りになってきて、私も合羽を着ました。この雨の中、道を登ってくるのは結構キツイと思うので早めに着てよかったと思いました。

上原ひろみさんは、自分のライブの時間が雨になってしまったことは、全く気にしていないようで、「こんな、たくさんの人が来てくれると思いませんでした。ありがとう!」と笑顔一杯で挨拶。上原さんはとにかく上機嫌で、にこにこにこにこしながら、ピアノを弾いていました。とても躍動感があり、どんなふうに鍵盤をたたけば、こんな音が出るんだろう、と生演奏と思えないほどの音の細やかさには感動しました。バンド編成だけれど、上原さんが全体をリードしながら、即興性のあるジャズ音楽でした。矢野顕子が彼女を尊敬して「上原ひろみさん」と「さん」づけで読んでいるくらい貫禄のある演奏なのですが、なんと79年生まれ、私よりちょうど10才若いのです。

やっぱ生で「(Return of) Kung-fu World Champion」を聴けるのは最高です。ライブ後、雨がいっそう激しくなる中で、客は帰らずアンコールは鳴り響き、彼女にとっても予想外の展開だったのだろうか、「みんな大好き!」と言って、もう1曲披露してくれました。上原ひろみの曲は、アルバムで聴いているだけでもすごくいいのだけれど、生で聴いてますます好きになりました。単独コンサートにも行きたいです。

続いて、クラムボンを見に、WHITE STAGEまで下山しましたが、大渋滞。たぶん、上原ひろみのファン層と、クラムボンのファン層は重なっていると思いました。GREENから登山してくる人とORANGEから下山してくる人で人口密度が濃くなり、しかも雨はますます降り注いできました。到着した頃には、すでに1曲目が始まっていました。ミトと原田郁子の男女ボーカルのコンビネーションに、浮かぶシャボン玉はファンタジックでした。「雨なのに、シャボン玉って、飛ぶんだねー!」とミト。原田郁子は決して綺麗な人ではないけれど、歌うとカワイイCHARAみたいなタイプな感じがしました。

クラムボンが終わった後、再び下山して、オアシスに行き、ネットカフェ(1人20分という制限がある)で並んでいました。列をなしていたけれど、夕立を避難するにはちょうど良かったです、。ワールドレスランとREDの間の林の樹木の密度が濃いところで避難してレジャーシートを敷き、ハワイアンレストランで買ったハンバーグカレーを買いました、甘くてなかなか美味しかったです。雨もやんできたけれど、少し肌寒くて、長袖シャツを持ってきて良かったです。

CLAP YOUR HANDS SAY YEAHは、REDの前のアーチストが終わるとすぐ入り、真ん中より少し前くらいのところに位置をキープしました。CLAP YOUR HANDS SAY YEAHは、変則的なリズムなので、客のノリ方がみんなバラバラで、原始的な民俗信仰の祭典という感じでした。前にいた女の子は2倍速で私の顔面にぶつかりそうな勢いで、頭を前後に振っている、首ムチウチするでー、と思いましたけれども。「Satan Said Dance」のところでは、「Satan Satan Satan ~」、「Said Dance!」と観客のかけ声がピッタリで、みんな良く予習をしているなぁと思いました。アルバムで聴いているよりロックっぽかったでしょうか。モッシュ・ダイブする人も出てきました。CLAP YOUR HANDS SAY YEAHのノリはすごくマイペースで、客がノリノリなのにいきなり休んだりしてときには、客席から「早く~ぅ!」の声も。知らない曲は、どこでサビが来て盛り上がるのか全然つかみようがなかったけれど、そのマイペースさがまた、CLAP YOUR HANDS SAY YEAHらしくてかっこいい!最後はアンコールの嵐で、照明が消えても、スタッフが片付けモードに入ってもアンコールは鳴り止まず、1曲だけやってくれました。なかなかいいライブでした。

ラストはGREENで、ケミカルブラザーズ。さすがGREENをも一杯にしてしまう人の数。CLAP YOUR HANDS SAY YEAHが遅くまでやっていたので、私が見たのは、「Do It Again」辺りから、3曲くらい踊ってきたけれど、なんか映像も単純で、無機的で工場の中で踊っているような感じで、それがケミカルのコンセプトかも知れないけれど、私はやっぱテクノ系のアーチストは、電気グルーヴやDAFT PUNKのようなキャラクターの強さか、FPMのような繊細さか、どちらかがほしいなぁ、と正直感じました。感じ方は人それぞれなので。

帰りにHMVのブースで今売り出し中の新人のDJを聞いてきました。皿回しのHIPHOPでした。「みんな、ありがとう。もっとやりたいけれどな、これで時間なんだ。みんあなどうもありがとう。」と50人くたい集まったお客さんに感激の挨拶をしていました。会場を出るところには「看板にSEE YOU NEXT YEAR!」と書いてありました。うん、また来よう。

外の屋台でチーズドッグを買ったら、ホットドックの入れ物に、あふれんばかりのチョップスティックの肉いっぱいのサービス。これで腹いっぱいで夕ご飯の代わりになりました。帰りにTシャツを買いました。ケミカルの時間帯のためか、オフィシャルグッズ店は空いていました。宿に戻り、最期の晩は親しくなった青年と私しかいなくて、夜遅くまで語り合いました。翌日はひどい雨で、帰りの東海道線のダイヤが乱れ、横須賀線で帰ってきました。こんな雨の中でなくてよかったなぁ、なんて思いました。楽しくてエキサイティングで夢のような3日間でした。

フジロックの写真集はこちらです。
by hide3190ymo | 2007-08-03 23:15 | 夏フェス・イベント等
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